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第8話 運転免許が欲しい その2
 もうすぐ免許取得が目の前まで来ていると、勝手に思い込んでいた私にとって、先生の「ペルミソを持っているか?それがないと、あなたも教えている私もそれぞれ2万コロン (約7,000円) の罰金です。」は、パニック状態を引き起こすのには、十分な内容でした。先生の言葉はわかりにくく、こんな語学力で受けるのがそもそも間違いだ、と言われればそれまでですが、主人と携帯で話してもらって、ペルミソを受け取るには、何をしなくてはいけないのか聞いてもらおう、と甘えっ子の私は会社に電話をしました。ところが、主人から帰ってきた言葉は、予想に反して「そんなこと自分でやれ!」の冷たい一言だったのです。泣きたい気持ちをグッと抑えて、どこで、何をどうして、とまさしく「5W1H」の質問をしたところ、「まず、パソ・アンチョ(広い道)に行って、そこはタクシー運転手にそう言えばわかるから・・・」「パソ・アンチョ?広い道って何だ?」ますますわけがわからなくなっていく私。「すみません、ここに書いてください。どこに行って、何をするのか。」雨季真っ只中の8月、サバナ公園でのルンルン運転練習は、土砂降りの雨と共にお流れとなってゆきました。

 ぐったりしたけれども、問題は早く解決しなくては、と帰ってから斡旋会社にもう一度電話をしました。彼女の説明はよくわかり、「まず、パソ・アンチョ(後でわかったのですが、サンホセ中心部のはずれの地名)にある事務所―INA de Paso Anchopara prueba de la licencia―(免許取得のための最初に訪れなければいけない所)に手続きに行って筆記試験を受け、合格すれば実技の練習ができます。5日間の講義も希望すれば無料で受けられます。」ということだったのです。半額は払ったので、試験合格後また連絡するということで電話は終わったのですが、結果的にはその斡旋所 のお世話になることはもうありませんでした。

 コスタリカ人の知人に付き添ってもらい、パソ・アンチョに行きました。長い行列の後ろに並ぶと、前に立っている青年が「これが3回目の挑戦なんだ。」と言うではありませんか。コスタリカ人でしかも若いのに3回目!これもまた、わたしの血の気を引くのに十分な言葉でした。そんなに難しいのか?受かってみてわかったのですが、その青年はただ単にテキストを勉強しなかっただけだったようです。5日間の無料講習も私は受けた方がいいのでは、と知人に聞くと、「それは、人数に限りがあり、月曜日の早朝に並んで申し込まないとだめだ。」と言われました。行ったのは火曜日で、かつ、8時からスタートするので私には無理なスケジュールでした。ほとんどの人はテキストを自分で勉強すると言うので、それに従い、自分でやる事にしました。

 どのくらい待ったか、いつどこに行っても待つことが多いので意識していなかったのですが、多分45分ぐらいは待ったでしょう。自分の番になり、パスポートとセドラ、(身分証明書兼滞在許可証)を提出。いつがいいか、などと聞くことなく、否応なしに事務的な返事。「来週火曜日の2時15分から3時15分。試験についての説明と質疑応答は、前日の2時から。料金1,500コロンは、会計の窓口で払ってください。」(試験は週2回で2時台は火曜日だけでした。)「え?たったの1週間しか勉強できないの?」期間が長くても勉強するのはわずかなのだから、短期集中でいいかもしれない。そう思いながら、別の窓口でテキスト800コロンを購入。そこに「エドゥカシオン・ビアル(道路教習)のビデオ発売中」とあるので、これはいい、と頼むと、「在庫切れです。」800コロンのテキストをパラパラめくってまたビックリ。見たこともない単語だらけ。いつまでたっても先の見えない「運転免許取得」という泥沼のゴールへ向け、五里霧中のオバサンなのでした。

つづく

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