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第23話 習慣の違い ――― スーパーに買い物に行って
 主婦にとって楽しく、また、毎日していることなのに飽きないものの一つに、スーパーへの買い物があります。

 旅行の時に、ちょっと思い出に買って来るのと違って、毎日使うもの。やたらと試し買いするわけにもいかず、恐る恐る買ったこともありました。食品などはもっと慎重になってしまいます。びん製品、缶製品は、張り紙の説明を読んでも(いや、読めなかった)、どのようにして食べるのか、想像することもできなかった。親しくなった奥様方から「これは美味しいわよ」とか、「これはお勧めよ」と教えてもらうようになって、コスタリカにもいろいろあるのがわかってきて、自分でも余裕が出た頃、何かいいものがないか探すようになりました。それでも、やはりこれは食べられないと、捨ててしまったものもたくさん。

 生活するとなると、食品だけでなく、日用雑貨も買わなければ。日本語ではどのように言うのか忘れてしまったものなどは、和西辞典で調べることもできず、店内をウロウロ探していると、店員さんに親切に近寄られ、引きつった笑顔で“No,gracias.”とだけ答えるだけ。

 そんなスーパーで、日本では見られない光景があります。売り場の冷蔵庫から取り出したジュースなどの飲み物を、お金を払う前に買い物をしながら飲む人や、また、子供に飲ませている親もいるのです。ビックリしたのですが、その後レジでちゃんとその飲みかけ、あるいは空になった器を見せて、お金を払っていました。飲み物だけではありません。アイスクリームやお菓子の時もありました。こんなことでも、こちらでは許されるようです。お金はちゃんと払うのだから悪くはないのですが、ラテン社会のおおらかさのよい例かもしれません。でも、店頭にあるものを、支払いを済ませる前に口に入れてしまうことは、長く住んでもさすが に真似のできない習慣です。

 もう一つ、レジで面食らってしまったことがあります。以前「新聞からの抜粋」にも 掲載しましたが、おつりがアバウトなのです。例えば、23コロンのお釣りだと、20コロンしか渡されないのです。27コロンだと25コロン。初めてそのようなお釣りの渡され方をした時、もちろんこちらの支払い方の習慣を知らなかった私は、「お釣りが違うじゃないの」と言いたかったのですが、レジの女性の当然の渡し方に、「この人たち、計算ができないんだ」と失礼なことを思って、文句も言わずに受け取りました。「まー、2〜3コロンぐらいいいか(当時1ドル=182コロン)と思うしかありませんでした。

 また、コスタリカでは、もはやコンマ以下の貨幣が流通しなくなっているにも関わらず、数字としては、まだ存在するのです。例えば、124.83コロンというように。その場合は、125コロンと切り上げ、123.23コロンだと、123コロンと切り下げられます。人によっては120コロンしか渡さない人も。

 ところが、その逆もあって、例えば、28コロンのお釣りの時、30コロンを渡されるというケースも。理由は1コロン硬貨が足りないからのようです。新聞に載っていたように、私も少なめに渡してみたことがあります。例えば、3,254コロン支払わなければいけないとして、3,250コロン渡してみました。何も言わずにレジの女性は受け取りました。でも、1円でもきちんとする日本人の気質が邪魔して、請求金額より少なめに渡すことには抵抗があり、お釣りを少なく渡されている方が、私の場合、多いような気がします。

 最終的には、スーパーと客のどちらが得しているのかわかりません。日本だと、1円でも違うと何度でも計算し直すでしょうに。

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